厚生科学審議会再生医療等評価部会は8日、千葉大学医学部附属病院から、悪性胸膜中皮腫を対象にNK4遺伝子を発現するアデノウイルスベクターを投与する臨床研究を受けた患者が、昨年12月に膵癌の進行で死亡したと報告を受けた。同院は、遺伝子治療を原因とする有害事象は見られなかったとし、死亡と直接の因果関係がないとの見解を示した。厚生労働省大臣官房厚生科学課は、「結論に異論は出なかった」と説明している。
死亡が確認され、「遺伝子治療等臨床研究重大事態」として報告されたのは、切除不能な悪性胸膜中皮腫を対象にNK4遺伝子を発現するアデノウイルスベクターを投与して安全性と有効性を確認する臨床研究(研究責任者=巽浩一郎千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学教授)。