山本氏は、改正薬機法で先駆的医薬品や条件付き早期承認などが法制化されたことを受け、「(革新的な医薬品を供給していく上で)医療現場や地域として、しっかりと受け止めていく必要があり、その受け皿を評価していくために薬局や薬剤師の機能を見直すことにした」と述べ、薬局認定制度を導入した目的を説明した。
これまでの薬機法は、薬局に対して最小限の構造要件、遵守義務などしか定めていなかったが、山本氏は「地域医療や医療技術が変わる中、機能を持ってしっかりと展開していく仕組みが必要」と述べた。
地域連携薬局、癌を中心とした専門医療機関連携薬局の認定要件は今後数カ月で示す方向だが、山本氏は「地域の他職種や他施設との情報共有が必要になる。地域連携薬局や専門医療機関連携薬局を見据えて仕事をしてほしい」と要請。最終的にはOTC医薬品の情報提供を含め地域住民のニーズに応えていく拠点として、薬局に必要な機能を全て揃えたフルスペックの薬局を求めた。
また、「改正法が施行したらゴールではなく、きちんと運用されることが大事」とし、将来的な薬剤師のあり方について、厚労省の「薬剤師の養成および資質向上等に関する検討会」で議論が進められていることにも言及。「薬剤師を話題にしているので、ぜひ議論に関心を持ち、地域で身近な薬剤師、医療提供者と一緒に考えるきっかけにしてほしいし、提案を寄せてほしい」と訴えた。
これからの薬局、薬剤師に求めることとして、山本氏は「地域の薬局として求められる役割を果たせる資質を備えた薬剤師が揃っている、もしくは総勢で機能が実現できることを目指してほしい」とした。また、「点数が付いたことしか実施していないと、他の薬局の先を行くサービスは提供できない。決まったことにとどまらず、先手を打ってほしい」と述べた。
山本氏はICTの活用も薬剤師の課題と指摘。2022年夏をメドに運用開始予定の電子処方箋に関して、「電子処方箋の仕組みを十分に活用し、過去や直近の薬剤情報、調剤情報を見ながら服薬指導の質向上に使うべき」との考えを示した。