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胃がん患者の血液2mlで、予後不良なFGFR2発現がん細胞の同定に成功-大阪市大

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2020年10月12日 PM12:30

難治がんの標的候補FGFR2発現の血液循環がん細胞に着目

大阪市立大学は10月9日、血液2mlを用いて、fibroblast growth factor receptor 2(FGFR2:線維芽細胞増殖因子受容体2型)を発現するがん細胞同定に成功したと発表した。この研究は、同大大学院医学研究科癌分子病態制御学・消化器外科学の八代正和研究教授、黒田顕慈大学院生らの研究グループによるもの。研究成果は、「Cancer Science」にオンライン掲載されている。


画像はリリースより

スキルス胃がんや胆管がんなど難治がんの増殖進展に、FGFR2遺伝子異常が関与していることが明らかになってきており、なかでもスキルス胃がんにおいては高頻度なFGFR2発現が報告されている。現在、そのFGFR2をターゲットとした阻害剤の臨床試験が進行中であり、難治がんに対する新規分子標的薬となることが期待されている。今回、研究グループは、血液循環がん細胞に着目し、胃がん患者の血液中のFGFR2発現細胞について検討を行った。

100人解析、血中から検出のFGFR2陽性細胞と胃がん組織FGF2発現に相関

胃がん患者100人を対象に、胃がん切除前に採取した血液(2ml)に含まれる細胞をフローサイトメトリー装置で解析。その結果、FGFR2陽性がん細胞が検出され、そのFGFR2陽性がん細胞数は摘出胃がん組織のFGFR2発現と有意に相関を認めた。さらに、FGFR2陽性がん細胞が多く検出された患者は、再発・転移が多く予後不良だった。

がんには「不均一性」があり、原発部位と再発転移部位とで性質が異なっていることがある。研究グループは、「血中循環がん細胞が検出できるようになれば、摘出できることが少ないがん転移巣の特徴を調べることが可能となり、患者個々のがんの特性に適した分子標的治療薬の選定に有用な診断法となることが期待される」と、述べている。(QLifePro編集部)

 

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