第18改正日本薬局方は、▽保健医療上重要な医薬品の全面的収載▽最新の学問・技術の積極的導入による質的向上▽医薬品のグローバル化に対応した国際化の推進▽必要に応じた速やかな部分改正および行政による円滑な運用▽改正過程における透明性の確保および普及――の五つの基本方針に基づいて作成した。日本薬局方の大幅改正は例年4月に施行されるが、新型コロナウイルス感染症などの影響により、2021年6月に告示、施行する予定。
改正の詳細を見ると、医薬品規制調和国際会議(ICH)のQ3Dガイドライン「製剤中の元素不純物の管理」を、薬局方の一般試験法の項目に反映した。
従来の元素不純物試験法から「元素不純物」に項目名を改め、製剤中の元素不純物を特定して管理するための科学、リスクに基づいたアセスメント方法を示すなど製剤中の元素不純物の管理と、従来の試験法をこの項目にまとめた。
また、「通則34」を新設し、一般試験法の元素不純物に関する規定に従って管理する一方、同管理方法を製剤、原薬、添加剤等に適用した場合は、重金属やヒ素など元素不純物の管理は必要ないとした。水分測定法、試薬・試液など試験法9項目と前文も改めた。水分測定法では「測定の適合性」に関する項目を追加し、陽極液、陰極液、試薬について柔軟に使用することを可能とした。
新たな試験法としては「サイズ排除クロマトグラフィー」を追加。溶液中の分子をそのサイズに応じて分離する手法で、核酸、蛋白質など高分子化合物の分子量の確認などに用いる。
また、ゲフィチニブやフルジアゼパム錠など、化学薬品・抗生物質27品目、生物薬品3品目、医薬品添加物1品目、生薬等2品目の計33品目を医薬品各条の項目に新たに収載した。
一方、現在の薬局方から削除する品目は8品目で、コレラワクチンなど7品目は生物学的製剤基準から削除されたことを理由とし、メチルロザニリン塩化物については、カナダ保健省が発癌性物質が含有されている可能性を指摘していたため、削除を決めた。これにより、収載品目数は2033品目となった。