主要評価項目は、症状の軽快かつウイルス陰性化までの時間
富士フイルム富山化学株式会社は9月23日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン(R)錠」(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)患者を対象とした国内臨床第3相試験において、主要評価項目を達成したと発表した。
画像はリリースより
アビガンは、富士フイルム富山化学が開発し、2014年3月に「新型または再興型インフルエンザウイルス」を適応症として国内で製造販売承認を取得した抗インフルエンザウイルス薬。ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐメカニズムを有していることから、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待されている。
非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者にアビガンを投与する国内臨床第3相試験は、2020年3月に開始。症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快かつウイルスの陰性化までの時間を主要評価項目とし、アビガン投与の有効性と安全性を、ランダム化プラセボ対照単盲検比較試験で検討した。
主要評価項目の中央値、アビガン投与群で11.9日、プラセボ投与群では14.7日
156例を解析対象とした主要評価項目の中央値は、アビガン投与群で11.9日、プラセボ投与群では14.7日となり、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者にアビガンを投与することで早期に症状を改善することを、統計学的有意差(p値=0.0136)をもって確認。また、調整後ハザード比は1.593(95%信頼区間1.024–2.479)を示した。
なお、安全性上の新たな懸念は認められなかったとしている。
10月中にもアビガンの製造販売承認事項一部変更承認申請予定
今後、同社は、同試験の詳細なデータ解析および申請に必要な業務を迅速に進め、10月中にもアビガンの製造販売承認事項一部変更承認申請を行う予定だ。
また、富士フイルムグループは、日本政府の備蓄増や海外からの提供要請に応えるために、国内外の企業と連携したアビガンの増産を進めていくとしている。
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・富士フイルム富山化学株式会社 ニュースリリース