■重症化予防薬を目指す
北里大学病院は17日、抗寄生虫薬「イベルメクチン」(販売名:ストロメクトール錠)について、新型コロナウイルス感染症に対する医師主導第II相治験を開始すると発表した。軽症から中等症の成人新型コロナウイルス感染症患者240例を組み入れ、来年3月末に完了する予定。比較的開発費用が少なくて済む既存薬の適応追加を目的とした試験であることから、迅速な開発を進める上で医師主導治験の実施を決断した。良好な結果が得られれば、イベルメクチンを製造販売するMSDと連携し、重症化予防の治療薬として実用化を目指す。
医師主導治験では、イベルメクチンによる新型コロナウイルスの増殖抑制効果を指標に、有効性・安全性を検討する。PCR検査で陽性反応が出た発症初期から中等症患者を対象としている。治験には、北里大学病院のほか数施設が参加。イベルメクチン群とプラセボ群を無作為に割り付け、1日1回単回投与する。主要評価項目として「PCR検査で陰性化するまでの期間」を評価する。