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【厚労省】治験副作用報告の対象拡大-情報公開義務化で参加促す

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2020年09月04日 AM10:30

厚生労働省は、開発中の薬剤のみに限定していた治験副作用報告の対象を併用薬や対照薬まで拡大する。改正医薬品医療機器等法の省令施行に対応した措置で、被験者保護を図るのが狙い。治験に関連する情報の一般公開も義務づけ、結果の概要も終了後1年以内に登録するよう定め、患者が治験への参加を選択しやすい環境を整備する。

省令では、開発中の薬剤を「被験薬」、被験薬や併用薬、対照薬、前投与薬など治験で使われる全ての薬剤を「治験使用薬」と定義。副作用が多く発現する抗癌剤などの治験が増加しているものの、副作用報告は被験薬のみに限定され、治験使用薬で副作用が発現した場合は製造販売後の副作用報告として処理していた。

ただ、治験での副作用報告は7日以内、製造販売後の副作用報告は15日以内と報告義務期間に差があるため、被験者保護の観点から治験使用薬でも迅速に副作用報告を行う必要性を踏まえ、治験副作用報告の対象に含めることにした。

一方で、インターネット上の有害事象の書き込みやコールセンターに対する一般消費者や非医療専門家からの問い合わせに由来する安全性情報については、製薬企業や医療機関が治験中に情報を入手した場合は報告を行うようになっていたが、今後は報告義務から除外して、医学的に重要な情報だけを報告するルールに緩和する。

1日から適用となったが、2年間の経過措置が設けられており、2022年8月末までは従来のように製造販売後の副作用報告で届けても差し支えないとしている。

治験届の提出方法も変更した。これまでは一つの試験で開発中の薬剤、併用薬、対照薬など複数の薬剤を用いる場合は、薬剤ごとに提出しなければならなかったが、プロトコル単位での届け出に改め、治験依頼者の負担軽減につなげる。

治験の透明化を確保するため、実施する製薬企業に対しては、国内の臨床試験情報登録センターに実施状況を登録し、国民に広く公開するよう義務づけた。国内では欧米に比べ、企業や医療機関から患者に向けた関連情報の提供が少なく、治験への参加機会を阻んでいるとの課題が指摘されていた。

製薬企業や医療機関が治験計画届書を届け出た後、最初の被験者が参加する前に情報を登録する。登録内容は、世界保健機関(WHO)が規定している治験を代表する医師、治験薬、対象疾患、主な適格・除外基準、実施中または終了したかの進捗など24項目で、WHOが対象に入れていない治験実施医療機関の登録も求める。

結果の概要についても終了後1年以内に登録し、困難な場合には、いずれかの国で承認・販売されてから1年以内に登録するよう求めている。生物学的同等性試験は対象外。

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