米ギリアド・サイエンシズは8月31日、新型コロナウイルス感染症治療剤「ベクルリー点滴静注液100mg、同静注用100mg」(一般名:レムデシビル)について、添付文書の記載内容を自主改訂した。米国で医療者向けのファクトシートなどが改訂されたことを踏まえたもの。
ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があるため、相互作用の項目にヒドロキシクロロキン硫酸等との併用注意を新たに記載した。
今回の改訂では、「相互作用」の項目に併用注意を新たに記載。具体的には、薬剤名にヒドロキシクロロキン硫酸、クロロキン(国内未承認)を記載し、その臨床症状として、ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があることなどを記した。
また、「重要な基本的注意」の項目ではインフュージョンリアクション(低血圧、嘔気、嘔吐、発汗、振戦等)の記載を、「インフュージョンリアクション、アナフィラキシーを含む過敏症」に変更。これらの発現を回避できる可能性があるため、緩徐な投与を考慮することも追記した。
「副作用」の項目には、「過敏症(インフュージョンリアクション、アナフィラキシーを含む)を記載し、具体的な症状として、血圧上昇、頻脈、呼吸困難、悪寒などが発現する可能性を記載した。
ベクルリーは、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として投与できるよう米国FDAが緊急使用許可(EUA)を出している。
今回、EUAに関する医療者向けのファクトシート、安全性情報や効能・効果等が記載された企業中核データシート(CCDS)が改訂されたことを踏まえ、ギリアドは日本でも添付文書を改訂して同様の内容で注意喚起することが必要と判断した。