厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は18日、持ち回り審議で、MSDが承認を取得した組み換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」について、定期接種化に向けた検討を進めていくことを了承した。定期接種化を議論するための第1段階として、ワクチンの有効性や安全性、費用対効果などに関する基本事項となるファクトシートの作成を国立感染症研究所に依頼し、作成後にワクチンの評価を行う。
シルガードは、従来の4価HPVワクチン「ガーダシル」が対応している6、11、16、18の四つのHPV型に加え、新たに31、33、45、52、58の五つのHPV型を含めた9価HPVワクチン。7月21日に承認された。
定期接種として用いられている2価と4価のHPVワクチンは、2010年にファクトシートが作成されている。ファクトシートが作成されている疾患でワクチンの定期接種を検討する場合には、新規ワクチンの科学的知見を中心に、既存のファクトシートに追加することになっている。
ただ、シルガードについては、2価・4価HPVワクチンのファクトシート作成から時間が経過していることやワクチンの特性が2価・4価HPVワクチンと大きく異なることから、新たなファクトシートの作成を感染研に依頼する。
ファクトシートに含めるべき主な内容としては、▽対象疾患の基本的知見▽ワクチンの有効性▽ワクチンの安全性▽費用対効果――の4項目とし、2価・4価HPVワクチンに関する新たな知見も追加することで、9価HPVワクチンと比較できるようにし、定期接種の是非について議論を進めやすくしたい考え。感染研は依頼から半年後をメドにファクトシートを作成する。