政府は17日、2020年度から5年間の日本医療研究開発機構(AMED)第2期中長期目標の改定案を同機構の審議会に示した。基金を活用して新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発を産官学で進めたり、癌や感染症など社会的課題となる疾患領域でテーマを定めて研究開発することなどを追記した。
既に今年度からAMEDの第2期中長期目標がスタートしているものの、政府の20年度補正予算で新型コロナウイルスの追加対策が示されたことなどを踏まえ、一部内容を見直すことになった。
具体的には、「基金を活用した中長期的な研究開発の促進」の項目に、新型コロナウイルスワクチンの開発支援を新たに記載。基金を使ってワクチン実用化に向けた研究開発を産官学協働で進め、目標達成の見通しをタイムリーに評価して研究開発の継続、拡充、中止を決めるとした。
同項目には、疾患領域に関連した研究開発も追記した。癌、感染症、難病など、現在と将来に社会的課題となる疾患分野についてテーマを設定して研究開発を実施する。
癌分野については、生物学的本態を解明する研究開発、個別化治療に貢献する診断薬、治療薬の開発、免疫療法や遺伝子治療などの新規治療法の開発に注力することとした。
感染症分野では、新型コロナウイルスを含む感染症に対する診断薬、治療薬、ワクチンの研究開発、新興感染症に迅速に対応できる研究開発プラットフォームを構築するとした。