厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの生産体制を整備する製薬企業に助成金を交付する「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」の対象企業に塩野義製薬など6社を採択したと発表した。
2021年度末までに供給可能などの要件を満たした6社に合計で約900億円を交付する。次回公募を行うかどうかについては未定としている。
同事業に採択されたのは、塩野義製薬、アンジェス、KMバイオロジクス、アストラゼネカ、武田薬品、第一三共の6社。6月に公募を開始し、応募した9社の中から要件を満たしているかどうかを評価委員会が確認した結果、この6社が対象となった。
今回交付する助成金の合計は約900億円で、塩野義製薬には約223億円を充て、同社は21年末までに3000万人分以上のワクチンを生産したい考えである。
アンジェスには約94億円が交付され、DNAワクチンの大量生産を行うほか、年内に不活化ワクチンの国内臨床試験開始を目指すKMバイオロジクスには約61億円が交付される。基金管理団体の新薬・未承認薬等研究開発支援センターに各社が申請した上で、交付される予定。
新型コロナウイルスの追加対策を盛り込んだ厚労省の第2次補正予算では、同ウイルスに対するワクチンを迅速に供給するため、製薬企業の研究開発と並行して生産体制を整備することとし、体制整備に1377億円を充てている。
生産体制整備を行う各企業に20~250億円を助成することとし、要件として遅くとも21年度末までに供給開始できる計画を持っていること、ワクチンを製造可能な生産設備を国内で整備すること、ワクチンに関する有望シーズを持っていること、事業の中止や廃止がないことなどを求めていた。