政府は7日、アストラゼネカ(AZ)日本法人との間で英アストラゼネカが新型コロナウイルス感染症ワクチン開発に成功した場合、来年初頭から1億2000万回分のワクチン供給を受けることで基本合意した。基本合意した1億2000万回分の供給量のうち、来年3月までに3000万回分を供給できる見通し。今後、最終契約に向けた協議を進めていく。新型コロナ感染症ワクチンの供給に関する基本契約は米ファイザーに続き2社目となり、2億4000万回分のワクチン供給を確保したことになる。
AZは英オックスフォード大学とグローバルで新型コロナウイルスワクチン「AZD1222」の開発を進行中。6月に日本政府との間で国内の安定供給に向けた協議を進めていることを明らかにしていたが、今回基本合意に至った。日本でも今月から日本人に接種した場合の有効性・安全性を検証するため、第I/II相試験を開始する。
日本での安定供給に向けて、AZはワクチン原液の調達については、JCRファーマへの製造委託と海外からの輸入を並行して進める。これらのワクチン原液を用い、第一三共、第一三共バイオテック、Meiji Seika ファルマ、KMバイオロジクスによって、バイアル充填から保管・配送といった接種に必要な準備を行い、供給体制を整備していく。同日付でワクチン生産体制等緊急整備事業の第一次公募としてAZと第一三共、KMバイオロジクスを採択し、国として生産体制を支援する。加藤勝信厚生労働相は同日、記者団に、「国内でどう薬事承認の審査を進めていくかにもよるが、国内承認を行った上で接種を進めていきたい」と述べた。