医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、7月に開かれた薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)「COVID-19治療薬開発に関する世界規制当局ワークショップ」の結果を公表した。新型コロナウイルス感染症治療薬の開発で相応しい主要評価項目を議論した結果、重症患者等では投与後28、29日までの回復期間などが適切であると合意した。軽症の外来患者では、重症への進行率などが適切とした。
新型コロナウイルスを対象とした治療薬の開発が各国で進められている中、今回のワークショップでは、治療薬のランダム化比較試験で想定される主要評価項目について検討した。一部の規制当局は、複数の臨床試験で使用され、審査側にとって受け入れ可能と判断された主要評価項目について説明した。
その上で、重症または中等症の入院患者の主要評価項目として適切で、治療薬の承認をサポートできると合意したのは、投与から28、29日までの回復期間、段階的スケールにおける2段階の臨床状態の回復、ランダム化後28日以内の死亡率、90日後以内における、生存もしくは再発なしの持続的な回復までの期間とした。
また、死亡率だけが許容できる主要評価項目ではないことは合意されたが、死亡率を主要評価項目としない試験でも、全ての場合において死亡率は主要な副次評価項目として収集されるべきとした。疾患の進行、ランダム化からある時点までの人工呼吸器非装着日数、回復率も評価項目として議論された。
一方、軽症の外来患者については、重症への進行率、事前に定義された時点における非入院患者の割合が適しているとした。死亡率は主要評価項目として不適切とし、入院率なども「客観性に欠き、許容されない」とした。
薬物の有効性を確認するPOC試験では、ウイルス学的な評価項目が有用であることに合意したものの、第III相試験の主要評価項目については「試験の主要目的を考慮して決めるべき」とした。
組み入れ患者集団など他の重要な点については、次回以降の会合で検討する予定となっている。