従来のCVポートはMRI撮像でハレーションが起こることも
BDのグループ会社である株式会社メディコンは7月31日、MRI検査等の撮像でハレーションを起こさない、金属フリーのCVポート「パワーポート(R)ClearVUE(R)(クリアビュー)」シリーズ(以下、パワーポートClearVUE)を同日から販売開始したことを発表した。
画像はリリースより
がん治療の1つである化学療法(抗がん剤治療)は、注射による投与が必要な場合が多く、長期にわたる治療では腕の血管に針を刺す回数が増えることで、末梢血管の損傷や関節の拘縮を起こすことが課題となっている。複数回にわたる注射での薬剤投与による苦痛を軽減するために開発されたのがCVポートだ。CVポートは心臓に近い大静脈に留置するカテーテルに専用の針を刺すためのポートが付属しており、CVポートをあらかじめ皮下に埋め込むことで、長期間の抗がん剤治療による患者の苦痛や生活の質の低下を軽減することが期待される。
従来のCVポートでは、MRIやCTスキャン撮影時に、ポートの金属部分に反応しハレーションを起こす場合があった。一般的に、CVポートは鎖骨下に留置されるが、特に、乳がん患者では乳房とCVポートを留置する前胸部が近いため、ハレーションによってがん病変を確認することが難しくなる可能性が指摘されていた。
強度はそのまま、MRIやCTスキャンの撮像にハレーションを起こさない
「パワーポートClearVUE」は、造影剤投与が可能なタイプとしては国内初の金属フリーのCVポート。ノーマルタイプの「isp」と、小柄な患者に適応した小型タイプの「slim」の2種を展開している。従来製品の強度はそのままに、MRIやCTスキャンの撮像にハレーションを起こさず、ポート周辺をクリアに見ることが可能。また、金属を使用した製品よりも軽く柔らかいため、ポートの皮下留置による違和感を低減する効果も見込めるという。
同製品は、画像診断に影響を及ぼさない、患者にとってより負担の少ない薬剤投与を可能にすることで、乳がん患者のスムーズな抗がん剤治療を支援するもの。同社は、「一般的なMRI検査における撮影時間や磁力制限はなく、確認が必要な項目が減るため、 医療従事者の負担軽減に貢献することが期待できる」としている。
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・日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 プレスリリース