政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は16日、ワクチン接種のあり方に関する議論を開始した。接種対象者の優先順位について、内閣官房は「現時点では議論していない」とする一方、接種のあり方について「秋前までには大きな方向性を得ておきたい」との考えを示した。構成員からは、新型コロナウイルス感染症ワクチンについての情報提供をしっかりと行うこと、副反応を未然に防ぐために安全性を注視することなどを求める意見が出た。
■政府分科会で議論
この日の分科会では、今後の議論に向け、内閣官房と厚生労働省が新型コロナウイルスを対象とした国内外のワクチン開発状況などについて説明。
ワクチンの開発後に国民の注目を集めることが予想される接種対象者の優先度について、内閣官房は「今すぐにこの人を優先すべきと議論しているわけではない。まずは接種目的を固めた上で、どのような準備を行うか議論する」とした。
ワクチン接種については、できる限り早期に多くの国民に接種することを目指し、簡素で効率的な予防接種の仕組みを構築すること、接種の目的として「ウイルスの蔓延防止を図り、死亡者や重症者の発生をできる限り抑えること」に重点を置くべきとの考えを示した。
構成員からは「ワクチンに対する国民の期待は大きいが効果が分からず、接種しても一生ものかどうかも不明なので、情報提供をしっかりと行うべき」「副反応の可能性もあるため、何かあれば非常に大きな問題となる。安全性を注意深く見ながら議論を進める必要がある」などの声が上がったという。