藤田医科大学は10日、新型コロナウイルス感染症患者に抗インフルエンザ薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)を投与する特定臨床研究の結果、主要評価項目のウイルス消失率に統計的有意差はなかったとする最終報告を発表した。新型コロナウイルス感染症への効果が大きな注目を集めていたアビガンだが、多施設ランダム化臨床試験の結果、明らかな有効性は認められなかった。今後の焦点は、富士フイルム富山化学が実施中の第III相試験に移りそうだ。
■藤田医大など臨床研究で
今回の特定臨床研究は、全国47医療機関で実施されたアビガンの多施設非盲検ランダム化臨床試験。3月上旬から5月中旬に新型コロナウイルス感染症の無症状患者と軽症患者89人が参加し、このうち44人をアビガンを1日目から内服する通常投与群、45人を6日目から内服する遅延投与群に無作為に割り付け、ウイルス量が低減するかを検証した。