■薬局も浸水被害広がる
3日から断続的に九州地方で発生した記録的な豪雨は、熊本県を中心に各地で洪水や土砂崩れ、河川の決壊などにより甚大な被害をもたらした。薬局や医薬品卸の業務にも大きな影響が出ており、薬事日報の調べでは8日現在、熊本県人吉市内の医薬品卸売販売業者2社の営業所・支店(デポ)が床上浸水などの影響で機能停止していることが分かった。また、熊本、福岡、鹿児島の3県で計50軒以上の薬局において浸水などの被害が発生しており、熊本県薬剤師会は「7月豪雨災害対策本部」を設置。災害対策医薬品供給車両「モバイルファーマシー」を避難所に配置し、8日にはDMAT(災害派遣医療チーム)に帯同して孤立地域への医薬品搬送の支援も始めた。
厚生労働省によると、薬局の浸水などによる被害数は37件に上っている。詳しく見ると、福岡県で11件(久留米市4件、大牟田市7件)、熊本県で22件(人吉市12件、葦北郡9件、八代市1件)、鹿児島県4件(薩摩川内市2件、鹿屋市2件)という状況にあるが、薬事日報の調べでは、8日時点で床上浸水被害を受けた薬局は熊本県で28件(県薬務衛生課)、福岡県で20件(県薬務課)とそれぞれ増加していることが判明。未曾有の豪雨による被害は刻一刻と広がりを見せているようだ。