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【19年診療行為別統計】後発品割合、7割を突破-薬剤料、調剤技術料は増加

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2020年06月26日 AM10:45


■19年診療行為別統計

厚生労働省は24日、医療給付の受給者に関する調剤行為の内容などをまとめた2019年「社会医療診療行為別統計」の結果を公表した。薬局調剤では、1件当たり点数、処方箋1枚の受付1回当たり点数共に前年より総数が増加した。調剤行為別では、薬学管理料は減少した一方で、薬剤料、調剤技術料は増加に転じた。後発品の種類数の割合は総数で73.1%と伸び、7割を突破した。

調査は、昨年6月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書と調剤報酬明細書のうち、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)に蓄積されている全数集計を対象としたもの。

薬局における調剤行為の1件当たりの点数総数は1075.0点で、前年に比べて13.6点、1.3%の増加に転じた。受付1回当たりの点数も889.8点で、32.6点、3.8%増加した。

調剤行為別に見ると、薬剤料の1件当たり点数が792.7点。薬価改定がなかったことなどから、前年と比べて12.5点、1.6%増加した。前年の診療報酬改定で調剤基本料の見直しが影響した調剤技術料は222.5点と、2.8点、1.3%の増加に転じた。これに対し、薬学管理料は57.7点と、1.7点、2.8%の減少となった。

医科の入院外における院外処方率は、前年に比べて0.8ポイント上昇し、76.6%となり、引き続き医薬分業の進展がうかがえた。内訳は、病院が0.3ポイント増の79.5%、診療所が0.9ポイント増の75.7%となっている。

一方、後発品の使用状況を見ると、薬剤種類数に占める後発品の種類数割合は総数で73.1%と前年比で3.6ポイント増加した。内訳を見ると、入院は3.5ポイント増の69.3%、院内処方は2.7ポイント増の63.1%、院外処方は3.7ポイント増の75.8%で、いずれも増加した。

後発品の薬効分類別の点数について構成割合を見ると、入院では抗生物質製剤が22.6%と最も多く、院内処方では循環器官用薬が27.8%、院外処方でも循環器官用薬が28.9%と最も多かった。

さらに、医科点数と薬局調剤を合算して求めた薬剤料の割合について、入院は9.7%で前年に比べ0.8ポイント増加、入院外も40.5%で0.5ポイント増加した。

薬剤の薬効分類別の点数について、入院、院内処方、院外処方別に構成割合を見たところ、入院では腫瘍用薬が24.8%で最も多く、次いで中枢神経系用薬が14.4%、生物学的製剤が10.6%の順となった。

院内処方でも腫瘍用薬が19.9%と最も多く、次いでその他の代謝性医薬品が14.5%、循環器官用薬が10.9%となった。院外処方では、循環器官用薬が15.6%と最も多く、次いでその他の代謝性医薬品が14.9%、中枢神経系用薬が14.4%となった。

レセプト(医科入院外)と調剤レセプト1件当たりの使用薬剤の種類数について構成割合を見ると、院内処方、院外処方共に1種類、2種類が多く、1件当たりでは院内処方3.41種類、院外処方で3.76種類となった。

レセプト(医科入院外)と調剤レセプト1件当たりの使用薬剤の点数について、院内処方、院外処方別の件数の構成割合を見ると、共に500点未満が最も多く、それぞれ70.2%、62.7%となった。

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