医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > リンヴォック、オレンシアと比較した関節リウマチ対象P3試験で非劣性示す-米アッヴィ

リンヴォック、オレンシアと比較した関節リウマチ対象P3試験で非劣性示す-米アッヴィ

読了時間:約 2分7秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年06月19日 AM11:45

複数の免疫炎症性疾患を対象に研究中のJAK阻害薬

米アッヴィ社は6月6日、関節リウマチ患者を対象に、(R)(一般名:)とリンヴォック(R)(一般名:)を直接比較した、第3相SELECT-CHOICE試験の主要評価項目および重要な副次評価項目の達成を示すデータを発表した。詳細な試験結果は、2020年欧州リウマチ学会(EULAR)の年次会議で発表された。

リンヴォックは、選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、複数の免疫炎症性疾患を対象に研究が進められている。2019年8月に、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者の治療薬として、米国FDAの承認を取得。同年12月には、1種類以上の疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)で効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者の治療薬として欧州委員会の承認を得た。関節リウマチに対して承認されたリンヴォックの用量は15mg。、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎および巨細胞性動脈炎を対象とする第3相試験が進行している。

SELECT-CHOICE試験は、生物学的DMARDで効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者を対象に、/従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARD)併用の安全性および有効性を、オレンシア/csDMARD併用と比較し、評価する第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照試験。患者はリンヴォック(15mg)を1日1回投与する群またはオレンシアを静脈内投与する群(1日目、2、4、8、12、16、および20週目(60kg未満:500mg、60~100kg:750mg、100kg超:1,000mg))に無作為に割り付けられ、すべての患者が基礎的治療として一定用量のcsDMARD投与を継続した。

主要評価項目は、12週時の疾患活動性スコア(DAS28-CRP)のベースラインからの変化量による評価で、オレンシア投与に対するリンヴォック(15mg)投与の非劣性。重要な副次評価項目は、12週時のDAS28-CRPベースラインからの変化量による評価で、オレンシアに対するリンヴォックの優越性および12週時の臨床的寛解(DAS28-CRPが2.6未満と定義)を達成した患者の割合とした。

12週時のDAS28-CRPベースラインからの変化量について、主要評価項目(非劣性)および副次評価項目(優越性)を達成

同試験の結果、12週時のDAS28-CRPベースラインからの変化量は、オレンシア投与の-2.00に対し、リンヴォック投与は-2.52で、主要評価項目(非劣性)および副次評価項目(優越性)を達成。さらに、12週時に臨床的寛解を達成した患者の割合は、オレンシア投与の13%に対し、リンヴォック投与では30%だった(p<0.001)。

12週時のACR20/50/70反応率についても、リンヴォック投与群がオレンシア投与群に比べて高い結果となった(それぞれ76/46/22%対66/34/14%、名目上のp<0.05)。疾患活動性の改善および寛解達成率は、24週まで維持された。

関節リウマチに対するリンヴォック(15mg)の安全性プロファイルは、これまでに報告されたものと一致しており、新たな安全性のリスクは認められなかったとしている。(QLifePro編集部)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか