厚生労働省は16日、中外製薬の抗癌剤「ベバシズマブ(遺伝子組み換え)」(販売名:アバスチン点滴静注用)と同剤のバイオ後続品4品目、第一三共のアルツハイマー型認知症治療剤「メマンチン塩酸塩」(メマリー錠、同OD錠、同ドライシロップ)と同剤の後発品について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示した。
ベバシズマブ(遺伝子組み換え)で改訂対象となるのは、中外製薬の「アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」、同剤のバイオ後続品であるファイザーの「ベバシズマブBS点滴静注100mg『ファイザー』、同400mg『ファイザー』」、第一三共の「ベバシズマブBS点滴静注100mg『第一三共』、同400mg『第一三共』」。これら品目について、「重大な副作用」の項目に動脈解離を追記する。
直近3年間の国内症例の集積状況を見ると、動脈解離関連症例が7件報告され、そのうち因果関係が否定できない症例は1件だった。また、報告症例数のうち死亡症例は2件で、因果関係が否定できない症例はなかった。国内症例が集積したことを踏まえ、改訂が適切と判断した。
第一三共のメマンチン塩酸塩(メマリー錠5mg、同10mg、同20mg、同OD錠5mg、同OD錠10mg、同OD錠20mg、同ドライシロップ2%)と同剤の後発品に関しては、重大な副作用の項目に「完全房室ブロック、高度な洞徐脈等の徐脈性不整脈」を追記する。
国内症例の集積状況を見ると、徐脈性不整脈関連症例が4件報告され、このうち因果関係が否定できない症例は2件だった。これら国内症例が集積したため、改訂が適当とした。