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新型コロナ抗原・抗体検査の臨床性能評価の結果を発表-国がんほか

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2020年06月12日 AM11:45

COVID-19の感染再拡大に備え、感染直後~治療・回復期までをカバーする新規検査法の確立が急務

(NCC)は6月11日、新型コロナウイルス感染症()を引き起こす新型コロナウイルス()の抗原・抗体検査法に関する共同研究結果の概要と抗体検査の臨床性能評価の結果を発表した。この研究は、NCCと、(NCGM)、シスメックス株式会社の研究グループによるもの。


画像はリリースより

SARS-CoV-2が体内に潜入することで生じる感染症のCOVID-19は、高い感染力を有し、急激な重症化を引き起こすとともに、多くの無症候性キャリアが存在するといわれている。2020年6月8日現在、全世界で感染者690万人、死者40万人、日本国内でも感染者1万7,000人、死者900人となっている。現状、日本国内においては、COVID-19の第1波が収束しつつあるが、今後も第2波、第3波の感染拡大が予測されている。COVID-19の再拡大に備え、感染直後から、治療・回復期までをカバーする新たな検査法の確立が急務となっている。

NCCとNCGM、シスメックスは2020年5月より、SARS-CoV-2の抗原・抗体検査法に関する臨床性能評価の共同研究を実施している。同研究において、NCCおよびNCGMの両センターは臨床評価用の検体を提供するとともに、臨床現場の観点から、臨床的に必要とされる検査法の開発提言を担当。シスメックスは、化学発光酵素免疫測定法を用いて開発した、鼻咽頭拭い液中の抗原および血液中の抗体(IgG、IgM)に関する検出試薬と、両センターから提供された検体を用いて測定および臨床性能解析を担当している。なお、同研究は、新たに発足した国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)による診断・医薬実用化支援の一環として行われている。

検出試薬、SARS-CoV-2陰性群と患者群に明らかな弁別性能を示す

シスメックスが開発した抗体検出試薬は、自社の全自動免疫測定装置とともに用いることで、ヌクレオカプシドタンパク質(N抗原)、スパイクタンパク質(S抗原)に特異的に反応する抗体(IgG、IgM)を個別に検出することが可能だ。

これまでの成果として、同検出試薬を用いて、SARS-CoV-2陰性群(n=300)と退院時のSARS-CoV-2患者群(n=33)間における血中のN抗原、S抗原に対するIgG抗体の濃度を比較した結果、患者群で抗体量の上昇がみられ、陰性群と明らかな弁別性能を示す結果が得られた。

この結果は、同検出試薬が、幅広い疫学的研究や、ワクチンの効果モニタリングなどの臨床応用へ活用できるとともに、今後の治療法開発において重要な知見となることを示唆していると考えられるという。なお、陰性検体はNCCで保管されていたCOVID-19流行以前の血清、退院時検体はNCGMから提供された血清を使用している。

今後予測されるCOVID-19の感染再拡大に備え、臨床用途に適応した検査法の迅速な確立により、COVID-19の診断・治療に貢献する、と研究グループは述べている。

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