上気道または下気道由来検体に加えて、症状発症から9日以内であれば唾液を用いたPCR検査も可能に
シスメックス株式会社は6月3日、新型コロナウイルス検査キットの体外診断用医薬品製造販売承認を取得した「2019-nCoV検出蛍光リアルタイムRT-PCRキット」について、検体種に唾液を追加適用する変更申請を行い、6月2日に承認を取得したと発表した。なお、同日付の厚生労働省の通知により、唾液についても保険適用の対象となった。
厚生労働省は6月2日、新型コロナウイルスのPCR検査に用いられる検体について、上気道由来検体(鼻咽頭拭い液)または下気道由来検体(喀痰もしくは肺胞洗浄液)に加えて、症状発症から9日以内であれば唾液を用いたPCR検査についても検査可能と発表した。
これまで国内では、PCR検査体制の拡充に向けて、各自治体や医師会が主導のもとドライブスルー検査が導入されるなど、より迅速な検体採取や医療従事者への感染リスク低減に寄与する体制整備が進められてきた。
検体の自己採取が可能に、安全かつ迅速・簡便な検査実施に期待
従来実施されてきた鼻や喉の奥の粘液を採取する方法では、検査を受ける人の身体的負担に加え、咳やくしゃみが出やすく、検体を採取する医療従事者が飛沫感染をするリスクが高まる。そのため、ゴーグルやフェイスシールドなどを着用して十分な感染防止策を講じる必要があった。
今回、唾液を用いたPCR検査が可能となったことで、検査を受ける人が自己採取することが可能となった。同社は、従来実施されてきた鼻や喉の奥の粘液を採取する方法と比較して、安全かつ迅速・簡便に新型コロナウイルスのPCR検査を行うことが期待される、と述べている。
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・シスメックス株式会社 プレスリリース