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【国立国際医療研究センター】国際治験の第二弾参加-「バリシチニブ」併用効果を検証

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2020年06月01日 AM10:30

国立国際医療研究センターは5月29日、新型コロナウイルス感染症の重症患者に対する有効性を確認するため、新たに抗ウイルス薬「」とヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬「」を併用する国際共同治験の第二弾に参加したことを明らかにした。レムデシビルの国際共同治験の中間解析結果で、回復までの時間が短縮されたことも報告した。新たな試験では、サイトカインストームが重症化に関与していると見て、約1032人を対象にレムデシビルとバリシチニブを併用投与するプラセボ対照試験を実施する計画だ。

■国内でも先週から開始

同センターはこの日、新型コロナウイルス感染症に対するレムデシビルの国際共同治験の中間解析結果を公表した。それによると、レムデシビル投与群538人、プラセボ投与群521人の患者データを解析したところ、レムデシビル群では回復までに11日、プラセボでは15日かかり、レムデシビルを投与された患者は回復までの時間が31%短縮されたことが分かった。そのため、「統計学的に有意な差が見られた」と判断した。

一方、14日までの死亡例は、レムデシビル群で32人(7.1%)、プラセボ群で54人(11.9%)との結果だったほか、重篤な有害事象の発生もレムデシビル群で114人(21.1%)、プラセボ群で141人(27%)となり、有意な差は見られなかったと結論づけた。

中間解析結果を踏まえ、研究グループは「レムデシビルはプラセボより治療効果が優れていた」と判断。ただ、依然として重症患者の死亡率が高いことから、宿主上皮細胞のウイルス増殖に重要な役割を果たすnumb関連キナーゼ(NAK)を阻害することが証明されたバリシチニブをレムデシビルと併用するプラセボ対照試験を、国際共同治験の第二弾として実施することになった。

新型コロナウイルスに感染すると、細胞に炎症が起こり、発熱や倦怠感を引き起こすサイトカインが分泌される。新たな国際共同治験では、「ウイルスによる重症呼吸不全はサイトカインが過剰に分泌されるサイトカインストームによるもの」と仮定。これを抑えて患者の予後を改善するため、バリシチニブの上乗せ効果を検証する。具体的には、約1032人の被験者をレムデシビル+バリシチニブ群と、レムデシビル+プラセボ群に分けて有効性を確認する。国内でも先週から治験を開始しており、米国などを含めた世界全体では既に100人以上が登録されている。

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