■加藤厚労相が表明
加藤勝信厚生労働相は26日の閣議後記者会見で、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の新型コロナウイルス感染症を対象とした薬事承認について、今月中の承認を見送る考えを示した。有効性を評価する臨床試験に関して、「独立評価委員会から科学的な評価は時期尚早との考え方が示された」ことを踏まえて判断したものだが、「有効性が確認されれば、迅速に薬事承認する方針は変わらない」とも述べた。
加藤氏は、臨床研究の継続可否を判断するための中間解析について、「独立評価委員会から科学的な評価は時期尚早との考え方が示されており、臨床試験は継続になったと承知している」とし、今月中の承認を見送る考えを示した。
ただ、「来月以降も臨床研究や治験を継続し、有効性が確認され次第、迅速に承認する方針は全く変わらない」と述べた。
アビガンの安全性については「これまでに600を超える医療機関が参加し、既に3000例を超える患者に投与されている実績を踏まえ、問題となる新たな副作用は報告されていない」とした。
一方、菅義偉官房長官も同日の記者会見で、「来月以降も引き続き研究を続け、企業から承認申請があればデータに基づき、速やかに審査を行い、有効性と安全性が確認されれば迅速に薬事承認する方針に変わりはない」と述べた。