製品評価技術基盤機構(NITE)は22日、市販の浴室用洗剤に含まれるアルキルグリコシドなど5種類の界面活性剤について、新型コロナウイルスの除去に有効との評価結果を公表した。アルコール以外の消毒方法を確保するため、11種類の界面活性剤の有効性を国立感染症研究所などで検証。これら5種類のうち、一定以上の濃度を持つものがウイルス量を99.99%以上減少させたことを確認した。その他の界面活性剤についても、引き続き有効性を検証する方針である。
NITEは、家庭や職場でアルコール以外の消毒方法を増やすため、1日から感染研と北里大学大村智記念研究所で新型コロナウイルスを用いて、界面活性剤11種類を対象にウイルス除去に有効かどうか検証していた。
その結果、▽直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(濃度0.1%以上)▽アルキルグリコシド(濃度0.1%以上)▽アルキルアミンオキシド(濃度0.05%以上)▽塩化ベンザルコニウム(濃度0.05%以上)▽ポリオキシエチレンアルキルエーテル(濃度0.2%以上)――の5種類が新型コロナウイルスに有効と判断した。
これらの成分は、市販の浴室用・トイレ用洗剤、家具用洗剤などに含まれている。
具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、塩化ベンザルコニウムの4種類については、感染研の評価で感染性を持つウイルス量を99.99%減少させたとし、北里大も「不活化効果がある」と判断した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルに関しては、濃度0.1%では検出限界以下までの効果は認められなかったものの、0.2%では99.99%のウイルス量減少が確認された。
塩化ベンゼトニウムと塩化ジアルキルジメチルアンモニウムについては、北里大の検証試験で不活化効果があるとの結果が出ていることから、感染研でも検証試験を行った上で、有効かどうかを最終的に判断することにしている。