■産学で最適化合物提案
日本医療研究開発機構(AMED)は、人工知能(AI)技術を活用した「次世代創薬AI」の開発に向け、今年度からプロジェクトを開始する。製薬企業からの低分子創薬に関連したデータの提供を受け、新規化合物を設計する際にAIが生体分子に対する親和性を予測し、創薬標的蛋白質に合った最適な化合物構造を提案するシステムを産学協同で開発する。プロジェクトが終了する5年後に実用化し、大学やベンチャー研究者に対して無償でシステムを提供する方向だ。大学やベンチャーから製薬企業へのシーズ橋渡しを支援し、日本でAI創薬の本格実装を目指す。
新薬開発に多くの人手と資金、時間が必要とされる中、創薬プロセスにおいてAIを導入する動きが加速している。創薬標的蛋白質に対する化合物の構造多様性が広がり、従来の化合物スクーリングでは創薬が難しくなっているためだ。