政府は22日、手指などの消毒に使用するアルコール製品の転売を規制するため、国民生活安定緊急措置法の一部を改正する政令を閣議決定した。消毒用エタノールやハンドソープ等の医薬品・医薬部外品、エタノール濃度60%以上の酒類、除菌ジェルや除菌シート等を対象とし、衛生用マスクと同様に、インターネットの販売サイトなどで購入価格以上で転売することを禁じる。あす26日から施行し、違反した場合は懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金を課す。
政令改正により、衛生用マスクと同様に、販売サイトなどで「消毒に使用することを目的としたアルコール製品」を購入価格を超える価格で販売した場合に罰則が適用される。
対象製品は、医薬品・医薬部外品として、消毒用エタノール、手指消毒液、殺菌消毒薬、ハンドソープなど。ただ、エタノールを含有しない消毒製品、口中清涼剤や薬用シェーブローションなどは対象外とした。
また、厚生労働省の事務連絡を踏まえ、エタノール濃度が60%以上の高濃度エタノール含有製品も対象とし、酒類、除菌ジェルや除菌シート等の除菌製品、主に業務用で使用される食品添加物などを挙げた。空間用消臭剤や掃除用シート等の濃度60%未満の製品、香水や工業用洗剤等の除菌以外を用途とする製品は除外している。
消毒目的のアルコール製品をめぐっては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、販売サイトで転売する事例が相次いでいることから、政府は3月中旬以降にサイト運営業者に出品や販売の自粛を要請してきた。ただ、依然として多くの転売事例が見られ、緊急事態宣言解除後の国民のアルコール消毒製品へのアクセスを確保するため、今回の改正に踏み切った。
一方、3月中旬から実施している衛生用マスクの取り締まり実績について、経済産業省は「現時点では、取り締まった事例は承知していない」としている。