日本医療研究開発機構(AMED)は21日、2020年度の「創薬支援推進事業―新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発」の公募について、9件の研究開発課題を採択した。企業主導型で4課題、アカデミア主導型で5課題が採択されており、全体で約55億円の研究費を配分する。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発を支援し、早期に臨床試験に入るための必要な研究開発を後押しする。
AMEDは、企業や大学の新型コロナウイルス感染症ワクチン開発を支援する目的で、「企業主導型」「アカデミア主導型」の二つの研究開発課題で研究機関を募集した。4月13~30日までの期間で公募を行い、課題評価委員会による厳正な審査を行った結果、企業主導型では申請のあった7件のうち4件、アカデミア主導型では39件のうち5件が採択された。
研究費の規模は企業主導型で44億9400万円、アカデミア主導型では10億4600万円となる。採択された研究開発課題と代表機関は次の通り。
〈企業主導型〉気道親和性センダイウイルスベクターによる新型コロナウイルスワクチンの開発:IDファーマ▽新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発:塩野義製薬▽新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発:KMバイオロジクス▽新型コロナウイルスを標的としたワクチン実用化開発:アンジェス
〈アカデミア主導型〉新型コロナウイルス感染症の遺伝学的知見に基づいた分子ニードルCOVID-19粘膜免疫ワクチンの開発:慶應義塾大学▽新型コロナウイルス感染症に対する弱毒生ワクチンの開発:東京大学▽COVID-19に対するmRNA吸入ワクチン開発:長崎大学▽組み換えBCG(rBCG)技術を利用したCOVID-19ワクチン開発:新潟大学▽汎コロナウイルス感染症ワクチンへの応用も視野に入れた、新型コロナウイルス感染症に対する即時性と免疫持続性を併せ持つ組み換えワクチンの実用化:東京都医学総合研究所