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新型コロナに対する次亜塩素酸水の不活化効果検証、第2報を発表-帯広畜産大ほか

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2020年05月22日 PM12:00

ウイルス不活化能はpH2.5EW(FAC 74mg/L)>pH4.5-6.0(FAC45-29 mg/L)

帯広畜産大学は5月21日、第1報で報告した、)に対するpH 2.5、遊離塩素濃度(FAC)64mg/L以上の次亜塩素酸水(EW)の検証結果に加え、より高いpH、およびより低いFACのEWについて検証した結果を発表した。この研究は、同大獣医学研究部門の小川晴子教授、グローバルアグロメディシン研究センターの武田洋平特任助教らの研究グループによるもの。研究成果は、学術雑誌に投稿中だとしている。


画像はリリースより

今回の研究では、株式会社アクトの製品である三室型電解装置クリーン・ファインにより作製された無塩型次亜塩素酸水クリーン・リフレを用いた。まず、複数のpH、FACのEWについて、SARS-CoV-2に対する不活化活性を評価した。ここではpH2.5(FAC 74mg/L)、pH4.5(FAC 45mg/L)、pH6.0(FAC 29mg/L)のEWを使用。この実験ではウイルス液とEWを1:9の比率で混合し10分または1分間室温で反応させ、その後ウイルス力価(感染性を有するウイルスの残存量)をTCID50法により算出した。この時、EWとの比較として、ウイルス不活化活性を有さない滅菌蒸留水(DDW)をウイルス液と混合した対照群を置いた。

実験の結果、pH2.5EW(FAC 74mg/L)は1分の反応時間でウイルスを検出限界以下まで不活化した。一方、pH4.5(FAC 45mg/L)、pH6.0(FAC 29mg/L)では99%以上のウイルスが不活化されたが、検出限界以下には届かず感染性ウイルスが残存していたという。また、10分の反応時間においてもpH4.5(FAC 45mg/L)、pH6.0(FAC 29mg/L)によるウイルス不活化の程度は1分と大きく変わらず、ウイルスは検出限界以下とならなかった。

pH4.5-6.0(FAC45-29 mg/L)は、大量の液であれば1分でウイルスを検出限界以下に

続いて、ウイルス液とpH4.5-6.0EWを1:15の液量比で混合し、1分間反応後の残存ウイルス量を評価した。その結果、pH4.5(FAC 45mg/L)やpH6.0(FAC 29mg/L)のEWは、ウイルス液の15倍の液量であれば1分の反応時間でウイルスを99.9%以上、検出限界以下まで不活化することが可能だったという。

また、これらの結果に加え、タンパク質を多く含むウイルス液に対しては、pH4.5EW(FAC 45mg/L)やpH6.0EW(FAC 29mg/L)を用いて十分なウイルス不活化活性を得るためにさらに大量の液(場合によってはウイルス液の40倍量以上)が必要であることが示唆された。

酸性度ではなく含有遊離塩素濃度に大きく依存

今回の研究成果により、pH4.5-6.0(FAC 45-29mg/L)のEWはSARS-CoV-2に対する不活化活性を示すものの、その活性はpH2.5(FAC 64mg/L以上)のEWよりも低いことが示された。同時に、pH4.5-6.0(FAC 45-29mg/L)のEWにおいても大量の液量を用いた場合に短い時間(1分など)でウイルスをより強く不活化できることが示された。

なお、今回の研究で使用されたpH 6.0 EWは、強酸性次亜塩素酸水をアルカリ水と混合しpHを調整したものであり、厚生労働省が定義する微酸性次亜塩素酸水とは製造方法が異なっている。

研究グループは、「第1報でも報告したように、次亜塩素酸水の新型コロナウイルス不活化活性は酸性度ではなく含有遊離塩素濃度に大きく依存していると考えられる」とし、遊離塩素濃度が高くない次亜塩素酸水を使用し手指や汚染部分の洗浄を行う場合には、汚れをよく取り除く、大量の次亜塩素酸水を用いる、または複数回の洗浄を実施することが望ましい、としている。

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