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脊髄性筋委縮症の遺伝子治療用製品「ゾルゲンスマ」、薬価収載-ノバルティス

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2020年05月21日 AM11:45

算定薬価は、1患者当たり1億6,707万7,222円

ファーマ株式会社は5月20日、脊髄性筋萎縮症()に対する遺伝子治療用製品として「(R)点滴静注」(一般名:)が、同日付けで薬価基準に収載されたことを発表した。算定薬価は、1患者当たり1億6,707万7,222円。同社は、2歳未満の「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む)ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」を効能、効果又は性能として、3月19日に「」の製造販売承認を取得した。

SMAは、脊髄前角細胞の変性・消失によって進行性に筋力低下と筋萎縮を呈する下位運動ニューロン病。常染色体劣性遺伝性の希少疾患であり、SMAの特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は、平成30年度末に全国で858人、0歳~9歳は30人と報告されている。また、遺伝性疾患による乳幼児の主な死亡原因となっている。

1回の点滴でSMN1 遺伝子の機能欠損を補う治療が完了

ゾルゲンスマは、SMAの根本原因である遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、1回の点滴静注で治療が完了する。SMAの原因遺伝子であるヒト運動神経細胞生存(Survival Motor Neuron: SMN)タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ、野生型のアデノ随伴ウイルス9型(9)を利用した遺伝子治療用ベクター製品で、静脈内に投与されると、SMAの根本原因であるSMN1 遺伝子の機能欠損を補って、運動ニューロンでSMNタンパク質を発現させ、運動ニューロンの変性・消失を防ぎ、神経及び筋肉の機能を高め、筋萎縮を防ぐことで、SMA患者の生命予後及び運動機能を改善することが期待される。また、導入したSMN遺伝子は患者のゲノムDNAに組み込まれることなく、細胞の核内にエピソームとして留まり、運動ニューロンのような非分裂細胞に長期間安定して存在するように設計されている。

通常、体重2.6kg以上の患者(2 歳未満)には、1.1×1014ベクターゲノム(vg)/kgを60分かけて静脈内に単回投与する(再投与は行わない)。投与液量は指定の表に従い体重に基づいて算出する。

ノバルティス ファーマの綱場 一成代表取締役社長は、「日本における2歳未満のSMA患者さんに、この画期的な治療法を提供できることを大変嬉しく思います。『ゾルゲンスマ』は、この疾患の原因になっている遺伝子の機能欠損を補う遺伝子治療用製品で、新しい治療選択肢を必要としている患者さんの人生を大きく変える可能性があります。本品を待ち望んでいらした患者さんとご家族の方々に、安全で適正なアクセスを実現するよう今後も全力で取り組んでまいります」と、述べている。

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