国内初、非ポリマー無機陽イオン交換化合物の高カリウム血症改善剤
アストラゼネカ株式会社は5月20日、ロケルマ懸濁用散分包5gおよび10g(一般名:ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物)について、「高カリウム血症」を効能・効果として発売したと発表した。
画像はリリースより
ロケルマは、国内初となる非ポリマー無機陽イオン交換化合物の高カリウム血症改善剤。カリウムイオンの直径に近い平均約3Å(オングストローム)の均一な微細孔構造を持ち、消化管内でカリウムイオンを選択的に捕捉する。また、初回投与開始後1時間から血清カリウム値の低下を示し、水分による膨潤をしないという特徴を有している。
高カリウム血症は、血清カリウム値が異常に上昇した状態を指す。日本では30万人を超える患者が、主に慢性腎臓病の進行または心不全治療薬の副作用により高カリウム血症を発症。血清カリウム値が異常に高い場合、致死的な不整脈や心停止を引き起こすことがある。
2つの国内試験と、2つの国際共同試験の結果に基づく承認
ロケルマは、2つの国内試験(第2/3相試験、長期投与試験)および2つの国際共同試験(HARMONIZE Global試験、DIALIZE試験)の結果に基づき承認された。第2/3相試験、HARMONIZE Global試験、および長期投与試験は、血液透析を受けていない高カリウム血症患者を対象とした試験で、それぞれ、治療初期にロケルマを1日3回投与したときの血清カリウム値の低下作用と安全性、正常化した血清カリウム値の維持の目的でロケルマを1日1回投与したときの有効性と安全性、ロケルマを1年間投与したときの安全性および効果の持続が検討された。これらの試験により、同剤の血液透析を受けていない高カリウム血症患者への有効性および安全性が検証された。
また、DIALIZE試験は、血液透析治療中の高カリウム血症患者を対象とした試験。同試験により、同剤の有効性および安全性が検証され、世界で初めて日本で血液透析治療中の高カリウム血症患者への投与が認められた。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース