安倍晋三首相は15日の参議院本会議で、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の新型コロナウイルス感染症治療薬としての承認について、審査で治験成績の提出を必須としない考えを示した。今月中の承認達成方法に関する梅村聡議員(日本維新の会)の質問に対する答弁。
安倍氏は、既にアビガンを新型コロナウイルス感染症治療薬として今月中に承認する方針を示しているが、この日の本会議では、「薬事承認の審査に当たっては、従来のように治験成績の提出は必須とせず、観察研究や臨床研究等の成果も活用することで有効性が確認されれば、今月中の承認を目指したい」と述べた。
さらに、「催奇形性が確認されていることを踏まえ、安全性についてしっかり審査するほか、適正使用を徹底させたい」との考えも示した。
新型コロナウイルスを対象とした治療薬の承認をめぐっては、厚生労働省が12日付の通知で、厚労科学研究班など公的な研究事業による研究成果で一定の有効性、安全性が確認された医薬品について、「臨床試験等の試験成績に関する資料を提出しなくても良い可能性がある」としていた。