■中医協総会で了承
中央社会保険医療協議会総会は13日、ノバルティスファーマの再生医療等製品で、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療剤「ゾルゲンスマ点滴静注」(一般名:オナセムノゲンアベパルボベク)の薬価収載を了承した。1回で投与を完了でき患者負担が少ないことなどを評価し、患者1人当たり1億6707万7222円と国内最高額を付けた。ゾルゲンスマは3月に厚生労働省が製造販売を承認。米国では約2億3000万円の超高額な薬価が付けられたことから、国内の薬価の行方に注目が集まっていた。20日付で薬価基準に収載される予定。
ゾルゲンスマの薬価は、バイオジェンジャパンの「スピンラザ髄注12mg」(一般名:ヌシネルセンナトリウム)を比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定された。
さらに、SMAを対象とする遺伝子治療製品が国内初となり、既存の治療方法とは大きく異なる新規作用機序を持つこと、長期間の効果が確認されて治療が1回で終了することなどが治療方法の著しい改善に当たるとして、50%の有用性加算Iが付いた。
さらに、2018年に先駆け審査指定制度の対象品目に指定されているため、10%の先駆け審査指定加算も適用された。これら加算適用後の薬価は、患者1人当たり1億6707万7222円となった。
予測市場規模は、ピーク時の2年目に25人、販売額は42億円と見込んでいる。また、SMAのみを効能・効果とし、ピーク時の規模が350億円を下回ること、著しく価格が高いことなどを踏まえ、費用対効果評価の対象になる。
ゾルゲンスマは、筋力低下や呼吸困難などを発現する遺伝性の難病であるSMAの患者のうち、2歳未満の小児などを対象としている。SMN遺伝子が患者の静脈内を通って細胞核内にとどまることにより、SMN遺伝子が長期間にわたって安定して発現する作用機序を持つ。単回静脈内投与で完結できる画期性などが評価され、3月に国内で承認されていた。