米ギリアド・サイエンシズは米国時間の4月29日、新型コロナウイルス感染症の重症入院患者を対象とした抗ウイルス薬「レムデシビル」の第III相試験で、患者の半数以上で臨床症状の改善を示す速報結果を発表した。臨床試験結果でレムデシビルの有効性が示されるのは初の事例となる。レムデシビルの5日間投与群と10日間投与群で同程度の有効性が確認されており、治療期間の短縮につながる可能性もある。試験結果の詳細データは今後数週間以内に論文などで発表する予定だ。
第III相試験では日本を含めた世界各国180施設を対象に重症患者に対するレムデシビル静脈内投与の有効性・安全性を検討している。同試験と並行して実施されている医師主導治験では、レムデシビル10日間投与による有効性が検討されているが、ギリアドでは最適な投与期間を確認するため、10日間の投与期間を5日間に短縮した場合に同等の有効性が得られるかを評価した。