北里大学と北里研究所は、大村智記念研究所の研究グループがエタノールや界面活性剤を含有成分とする市販製品22点の新型コロナウイルス不活化効果を調べたところ、21点が不活化に有効だったとする試験結果を発表した。ハンドソープなど15製品、洗濯用洗剤など7製品の液体とウイルスを含有した液体を混ぜてウイルス増加の有無を調べたもので、同研究所は21製品について「ウイルスの汚染が懸念される手指の洗浄のほか、衣類の洗浄などに活用が期待できる」と結論づけた。
今回の試験は、新型コロナウイルスの消毒方法について市場に流通している医薬部外品や雑貨に関する不活化効果の情報が少ないことを踏まえて実施したもの。
手指の洗浄や、拭き取り洗浄に使用する「クイックルワイパー立体吸着ウエットシート香りが残らないタイプ」「トイレマジックリン消臭・洗浄スプレーミントの香り」など15製品のほか、洗濯や器具の洗浄を目的とした「アタックZERO」「ワイドハイターEXパワー液体」など7製品を対象に、ウイルスに対する不活化効果があるかどうかを調べた。
具体的には、国立感染症研究所が提供したウイルスを含んだ液体と試験対象となる製品の液体を試験管内で混合し、15製品は常温で1分間、7製品は10分間接触させ、ウイルスRNAの量が増加しなかった製品を「不活化効果がある」と判断した。
その結果、「アタック抗菌EXスーパークリアジェル」以外の21製品で不活化効果が確認された。
これら21製品について、同研究所は「新型コロナウイルスの不活化に有効と考えられ、ウイルスの汚染が懸念される手指や硬質表面の洗浄のほか、日常的に使用する衣類やリネン類の洗浄などに活用が期待できる」と結論づけた。