製品評価技術基盤機構(NITE)は15日、新型コロナウイルス感染症に対する消毒方法として、台所用洗剤に含まれる界面活性剤など3種類が有効な可能性があると発表した。同日付でNITEに検討委員会を立ち上げ、実証試験などを通じて有効性を評価した上で、速やかに結果を公表したい考え。感染拡大でアルコール消毒液が不足している現状を踏まえ、代替品を探すことを目的としたもの。
新型コロナウイルスに対する消毒方法として有効性を評価するのは、▽石けんや台所用洗剤に含まれる界面活性剤▽塩酸や食塩水を電気分解して生成した次亜塩素酸水▽塩化ベンザルコニウムなど第4級アンモニウム塩――の3種類。
経済産業省は、感染拡大の影響でアルコール消毒液が不足しているため、家庭や職場で一定の効果が期待できる代替的な消毒方法を評価するようNITEに要請。消毒方法の選択肢を増やすと共に、医療機関に優先的にアルコール消毒液を供給することも狙う。
この要請を受け、NITEは新型コロナウイルスに有効な消毒方法を文献調査した結果、これら3種類が有効な可能性があると位置付けた。
NITEは15日に検討委員会を立ち上げ、実証試験や有識者へのヒアリングなどを実施した上で、評価結果を速やかに公表したい考えである。
一方、80℃以上の熱水に10分間さらすこと、濃度70~80%のアルコール消毒液、塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムについては、「新型コロナウイルスに対する有効性がすでに確認されている」とし、検証不要との考えも示した。