厚生労働省は13日付の事務連絡で、新型コロナウイルス感染症の患者増加により人工呼吸器の需要が急速に高まっている現状を踏まえ、新型コロナウイルス感染症を対象とする人工呼吸器などの医療機器や医薬品を優先的に審査する方針を示した。通常の薬事手続きより迅速に処理し、出荷を前倒す狙い。同措置の適用期間は「需給の逼迫が解消されるまで」としている。
事務連絡では、新型コロナウイルス感染症を対象に承認された医療機器、医薬品がないことから、他の医療機器などの審査に優先して行う考えを示した。特に急速に需要が高まっている人工呼吸器を含めた医療機器については、必要な薬事手続きを優先的、最速で処理し、出荷の前倒しを促す。
自動車メーカーが人工呼吸器の製造工程に関わる場合、パーツだけを製造し、製造販売業者に供給する場合は薬事上の手続きは不要とした。一方で、組み立てなどの重要な工程を担う場合は、自動車メーカーと製造販売業者の手続きが必要とした。
また、緊急事態宣言を受けた外出自粛要請が実地調査、製造販売業者との意見交換などに影響を与える可能性があるとし、メールによる書類の受け渡し、オンライン会議の実施を進め、審査への影響が最小限となるよう努めるとした。
新型コロナウイルスを対象としない医療機器のうち、対応が困難なものについては、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が製造販売業者に審査の実施方法、時期を相談する可能性があるとしている。