2件のP3試験から成るSIMPLE試験、日本でも4月14日より投与開始
ギリアド・サイエンシズ株式会社は4月14日、remdesivirについて、中等度・重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象に安全性と有効性を評価する、2件の国際共同無作為化第3相臨床試験から成る試験プログラム「SIMPLE試験」を、日本の複数の医療機関で実施し、4月14日よりremdesivirの投与が開始されたことを発表した。
SIMPLE試験は、2件の無作為化、非盲検、国際共同第3相臨床試験で構成されるプログラムで、remdesivirの2種類の静脈内投与レジメンの安全性と有効性を評価する。第1段階では、COVID-19陽性が確認された感染拡大国の入院患者約1,000人を対象とする予定だ。
SIMPLE試験プログラムの2件の試験のうち、1番目の試験では、重度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンの安全性および有効性を評価する。2番目の試験では、中等度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、標準治療に加えて5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンを併用した群の安全性および有効性を、標準治療のみの群と比較して評価する。
開発中の核酸アナログ、抗SARS-CoV-2活性の可能性
remdesivirは、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている、開発中の核酸アナログ。最近では抗エボラウイルス活性も判明している。
MERSやSARSの原因となるウイルス病原体はコロナウイルスの一種であり、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと構造が類似している。このCOVID-19原因ウイルスは新型のため、承認薬がなく、COVID-19治療に関連する臨床試験データもほとんどない。ただし、MERSおよびSARSに対する、remdesivirの非臨床試験では、限られたデータではあるものの、抗SARS-CoV-2活性の可能性が示されているという。
remdesivirは開発中の治験薬であり、世界のいずれの国においても認可・承認されておらず、いずれの適応でもその安全性や有効性は確立されていない。
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・ギリアド・サイエンシズ株式会社 プレスリリース