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【19年度薬学教育評価】国際医福大の総合判定保留-入学選抜を問題視、留年多く

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2020年04月13日 AM10:15

薬学教育評価機構は、2019年度の6年制薬学教育評価を専門分野別に行った結果をまとめた。昨年度の対象となった医療創生大学、熊本大学、城西大学、城西国際大学、、徳島文理大学香川薬学部、、広島国際大学、福岡大学、松山大学、、国際医療福祉大学の13校のうち、12大学は評価基準に適合と認定されたが、国際医療福祉大は評価基準の中項目5項目に重大な問題点が認められるとして、総合判定を保留した。ただ、国際医療福祉大は評価結果に異議申立をしており、現在審査中となっている。認定期間は27年3月31日まで。

■大学側は結果に異議申立

今回、総合判定が保留となった国際医療福祉大の評価で、重大な問題点が認められると判定されたのは、▽カリキュラム編成▽医療人教育の基本的内容▽学生の受入▽教員組織・職員組織▽自己点検・評価――の5項目。

評価結果では、薬学教育カリキュラムについてカリキュラムポリシーが教育課程の編成と実施方針として設定されておらず、4年次、6年次のカリキュラムが薬学共用試験(CBT)と国家試験対策に過度に偏ったものになっていると指摘。内容の改善を求めた。

医療人教育の基本となる教育について、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーションの基本的能力を身につけるための教育に、カリキュラム編成の不備や学習方略、評価方法に問題点があると指摘。

入学者選抜についても、「合格者の決定に薬学部教授会の意見が反映できる制度となっておらず、1年生、2年生に留年者、退学者が多い」と問題視し、「入学者選抜で入学後の教育に求められる基礎学力を適確に評価する必要がある」と改善を求めた。

進級と卒業の判定については、規程に沿った判定基準で厳正に行われているとしつつ、卒業の可否判断が実質的には国家試験受験に向けた演習科目である「特別薬学講義・演習」の合否に基づいて行われていることを問題視した。

その他、教育研究業績が不十分な教員に対する学部からの指導、教員に対する教育研究費や卒業研究指導に関する経費配分、研究時間への配慮が適切に行われていないと指摘。

薬学教育プログラムについて、特にカリキュラム編成、シラバスの十分な自己点検と評価が行われていないとし、「質の担保と改善に向け自己点検と評価を恒常的に行い、結果を教育研究活動の改善に反映するよう真摯かつ適切に取り組む必要がある」と促すなど、多くの改善が必要となる重大な問題点が指摘され、総合判定は保留となった。

■卒業判定に外部模試-「不適切」と改善要求

一方、適合と認定された医療創生大学に対しても、予備校模擬試験の受験を「薬学総合演習(ファーマドリルファイナル)」の再試験の受験資格にしていることは不適切とし、早急な改善を要求。対応状況の報告書提出を要請した。

熊本大学に対しては、「卒業前総括講義」の評価で一部外部機関の国家試験模擬試験の結果を取り入れていることは不適切と指摘。

城西国際大学にも、卒業判定に関わる「薬学総合演習」の評価に外部模擬試験の結果を一部組み入れていることを不適切とし、早急な改善を求めた。

福岡大学には、卒業論文の成績評価が卒業試験の実施科目の評価の一部で行われており、卒業延期者の卒業判定が実質的に同科目の試験成績で行われていることを「評価の厳格性に問題がある」と指摘。これらの是正に向け、早急に適切な措置を講じ、対応状況の報告書を改善するまで毎年提出するよう要請した。

さらに、低学年での留年者、退学者や、6年間で卒業できない学生の多さも相次ぎ指摘された。城西国際大学では、低学年での留年率が依然として高く、ストレート卒業率が 50%を大きく下回っていることを問題視。入試別、成績別の追跡調査などを行い、各入試形態で志願者の学力をより適正に評価するための指標と基準を改めて設定する必要があると改善を促した。

徳島文理大学香川薬学部でも、休学や留年する学生が多く、ストレート卒業率も50%程度であるため、入学者選抜で必要な学力が適確に評価されていないことに懸念を表明。入学者選抜の改善を求めた。

横浜薬科大学には、半数以上の学生が6年間で卒業できていない現状を問題視し、学生の在籍状況を改善させるため、一層の取り組み充実を要求した。

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