厚生労働省は、H2受容体拮抗剤の「ニザチジン」中の発癌性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)の含有量について、製造販売業者による分析結果を公表した。全品目で暫定基準値(0.32ppm)を下回り、一部品目のロットでは暫定基準値を上回ったものの、自主回収され市場に流通していない。
NDMA含有量の分析を行った品目のうち、沢井製薬の「ニザチジンカプセル75mg『サワイ』」「同150mg『サワイ』」、東和薬品の「ニザチジンカプセル75mg『トーワ』」「同150mg『トーワ』」、ニプロESファーマの「ニザチジンカプセル75mg『タナベ』」「同150mg『タナベ』」、マイラン製薬の「ニザチジンカプセル75mg『ファイザー』」「同150mg『ファイザー』」、陽進堂の「ニザチジンカプセル75mg『YD』」「ニザチジン錠150mg『YD』」、ゼリア新薬の「アシノン錠150mg」「アシノンZ錠」「アシノンZ錠胃腸内服液」では、NDMAの含有量が暫定基準値である0.32ppmを下回ることが確認された。
また、大原薬品の「ニザチジンカプセル75mg『オーハラ』」「同150mg『オーハラ』」、ゼリア新薬の「アシノン錠75mg」については、一部ロットで暫定基準値を超えたものの、対象ロットは既に製造販売業者が回収し、現在は市場に流通していない。
ニザチジンをめぐっては、類似化合物のラニチジン塩酸塩と原薬から微量のNDMDが検出されたことを踏まえ、米国食品医薬品局(FDA)などが安全性評価の実施を発表。これを受け、厚労省は昨年9月、ニザチジン製剤とラニチジン製剤にNDMAが混入していないかを分析するよう製造販売業者に依頼していた。