全国20~49歳の女性2,000人対象のインターネット調査
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は4月3日、4月9日の「子宮の日」を前に、子宮頸がんに関する意識調査結果を発表した。この調査は、同社が、全国の20~49歳の女性2,000人を対象に、2020年3月19日~3月22日の期間に実施したインターネット調査である。
調査の結果、子宮頸がん自体への認知度は全体で約90%と結果となった。検診については、「定期的に受診する必要があると思う」が63%、「将来的に受診しないといけないと思うが、今はまだ受ける必要がないと思う」が23%となり、合計86%が検診の必要性を感じていることが判明。89%(定期的な受診が必要:75%、将来的に必要:14%)が必要と回答した「健康診断」と同様に、多くの女性が重要だと認識していることがわかった。年代別では、40代で「定期的に受診する必要がある」と答えた人が71%だった一方で、20代では47%に留まり、「将来的に受診しないといけないと思うが、今はまだ受ける必要がないと思う」が35%と、年齢による認識の違いが見られた。
画像はリリースより
検診を受診しない理由、20・30代「受診にお金がかかるから」が最も多く
続いて、子宮頸がん検診を受診したことがある人は、全体で53%(20代の33%、30代の55%、40代の64%)だった。受診率は年代が上がるほど高くなり、20代では約7割が受診したことがない結果となった。受診しない理由としては、20代、30代は「受診にお金がかかるから」をあげる人が最も多く、婚姻状況別で見ると、未婚者では「検査が恥ずかしいから」とする人の割合が最も多かった。
受診のきっかけについては、「自治体で、無料あるいは安く受診できるから」が39%と最も多く、次いで「健康診断のオプションにあったから」が25%だった。年代別にみると、20代で受診したことがある人は、「親や家族に受診を勧められたから」「将来、出産をしたいから」という意見が多く見られた。
定期的に受診している人ほど、子宮頸がんに関する理解度が高い結果に
子宮頸がんに関する理解度については、全般的に、年代が上がるにつれて理解度が高くなった。子宮頸がんが「20代~30代の若年層で急激に増加している」ことについて知っている人は全体で51%(定期的に検診を受けている人:63%、受けたことがない人:39%)、「予防できる唯一のがん」と言われていることを知っている人は全体で24%(定期的に検診を受けている人:34%、受けたことがない人:17%)だった。また、「がんの発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが関わっていること」を知っている人は全体で37%(定期的に検診を受けている人:53%、受けたことがない人:23%)、「HPVは一般に性行為を介して感染する」ことを知っている人は32%(定期的に検診を受けている人:43%、受けたことがない人:24%)と、定期的に受診している人ほど、理解度が高いという結果になった。
国内における子宮頸がんの年間罹患数は約1万1,000例、年間死亡者数は約2,900人と言われており、女性特有のがんの中では乳がんに次ぐ多さだ。今回の調査結果を受けて、同社では特に、若年層への子宮頸がんの原因や予防・治療に関する正しい理解促進が課題であると捉えているという。特に、罹患者が増加している若年層の検診受診率向上に向けて、今後も情報発信に取り組んでいくとしている。
▼関連リンク
・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース