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【日医】横倉会長が「医療危機的状況」を宣言-新型肺炎、医療崩壊に懸念

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2020年04月03日 AM10:00

日本医師会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大が医療現場に大きな負担を与えている現状を踏まえ、「医療危機的状況宣言」を発表した。同ウイルス以外の患者も治療を続ける必要があること、医療者が感染すれば現場を離れざるを得ないことなどから「国民に適切な医療を提供できなくなる」と強い懸念を示した。その上で、医療崩壊を防ぐため、国民に対して手洗いなどの健康管理を徹底して感染を広げない対策と適切な受診行動を取るよう求めた。

医療危機的状況宣言を発表した横倉氏

都内で記者会見した横倉義武会長は、国内の感染状況について「世界で最も高齢化が進んでいるが、人口に占める死亡者数はドイツよりも低い」と分析。

一方で、医療提供体制に関しては「ウイルス対策にこれまで経験したことのない多くの資源を投入しながら、それ以外の疾病治療も継続するという危機的状況に陥りつつある」と懸念を表明し、医療危機的状況にあると宣言した。

具体的には、医師など医療者がウイルスに感染すれば現場から離脱せざるを得ず、国民に適切な医療を提供できなくなることを強く懸念。また、一部地域では病床が不足しつつあり、現在行っている対策は2週間後に結果が現れることから、感染爆発が起こってからでは遅く、今のうちに対策を講じる必要があると訴えた。

この状況を踏まえ、国民に対して、手洗いや消毒、食事や睡眠などの健康管理を徹底し、他人に感染させないよう咳エチケットを守ることなどを求めた。

同宣言について、釜萢敏常任理事(感染症危機管理対策担当)も「日本の医療提供体制を維持するには非常に危機的状況にあることを踏まえたものだ。この状況を乗り切るためには、国民から大きな支持と支援をいただきたい」と訴えた。

釜萢氏は、臨時の医療施設の確保など実行力のある対策を政府が実施できる緊急事態宣言を出すべきとの考えを前回の記者会見で示したことについて、「早く宣言を出してほしいという考えは変わらない。宣言には医療現場や感染拡大の状況が大事だが、早く準備しておくことは重要」と改めて主張した。

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