若年発症が多く、生涯にわたり慢性的な寛解と憎悪を繰り返す傾向のある潰瘍性大腸炎
田辺三菱製薬株式会社は4月1日、ヤンセンファーマ株式会社と日本国内でコ・プロモーションを実施している、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「シンポニー(R)皮下注50mgシリンジ(以下、シンポニーシリンジ)」および「シンポニー(R)皮下注50mgオートインジェクター(以下、シンポニーオートインジェクター)」(ともに一般名:ゴリムマブ(遺伝子組換え))について、中等症~重症の潰瘍性大腸炎治療においても、在宅自己注射が保険適用になることを発表した。
潰瘍性大腸炎は、原因不明の慢性炎症性腸疾患。日本における患者数は約22万人とされ、性差はないと報告されている。青年後期および成年初期に診断されることが最も多く、日本での発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳。下痢、直腸出血、体重減少、腹痛、発熱などの症状がみられ、強直性脊椎炎等の大腸炎性関節炎がみられる場合もある。また、生涯にわたり慢性的な寛解と増悪を繰り返す特徴があり、患者の約15%は入院を要する急性発作を発現する。
在宅自己注射が可能になったことで、生活スタイルに合った治療選択肢の広がりに期待
日本においてシンポニーシリンジは、2011年7月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の効能・効果で、2017年3月に「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果で、それぞれ承認された。2018年4月には、関節リウマチ治療におけるシンポニーシリンジの自己注射が保険適用され、2019年3月には、シンポニーオートインジェクターが、シンポニーシリンジと同様の効能・効果で承認された。
そして今回、潰瘍性大腸炎治療においても2020年4月より従来の定期的な通院による院内注射に加え、シンポニーシリンジおよびシンポニーオートインジェクターの2種類の剤型において、在宅自己注射が可能となった。これにより、患者の日々の生活に応じた治療選択肢の広がりが期待される。なお、これらの在宅自己注射は、医師が妥当と判断した患者においてのみ可能としている。
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・田辺三菱製薬株式会社 ニュースリリース