日本初、非ポリマー無機陽イオン交換化合物の高カリウム血症改善剤
アストラゼネカ株式会社は3月26日、ロケルマ(一般名:ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物)について、高カリウム血症を効能または効果として国内製造販売承認を取得したと発表した。
ロケルマは、日本初となる非ポリマー無機陽イオン交換化合物の高カリウム血症改善剤。無味無臭で、初回投与開始後1時間から血清カリウム値の低下を示し、水分による膨潤をしないという特徴を有する。また、カリウムイオンの直径に近い平均約3Å(オングストローム)の均一な微細孔構造を持ち、消化管内でカリウムイオンを選択的に捕捉する。現在、同剤は米国、欧州および中国などで高カリウム血症の治療薬として承認されている。
日本人高カリウム血症患者の56.4%が慢性腎臓病を、33.7%が心不全を合併
高カリウム血症は、血清中のカリウム値が異常に上昇した状態(通常5.0mmol/lを超えた場合)を指し、慢性腎臓病や心不全の患者、特に、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害剤などの治療薬を使用中の患者では、発症するリスクが高くなる。日本人の高カリウム血症患者のうち、56.4%が慢性腎臓病を、33.7%が心不全を合併していることが報告されている。
今回の承認は、2つの国内試験(P2/3相試験、長期投与試験)および2つの国際共同試験(HARMONIZE Global試験、DIALIZE試験)の結果に基づくもの。P2/3相試験、HARMONIZE Global試験、および長期投与試験は、血液透析を受けていない高カリウム血症患者を対象とした試験で、それぞれ、治療初期にロケルマを1日3回投与したときの血清カリウム値の低下作用と安全性、正常化した血清カリウム値の維持の目的でロケルマを1日1回投与したときの有効性と安全性、ロケルマを1年間投与したときの安全性および効果の持続を検討。これらの試験結果から、血液透析を受けていない高カリウム血症患者の有効性および安全性を検証した。DIALIZE試験は血液透析治療中の高カリウム血症患者を対象とした試験で、同試験の結果から有効性および安全性を検証し、世界で初めて日本で血液透析治療中の高カリウム血症患者への投与が認められた。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース