6年制新卒者の合格者は7795人で合格率は84.78%、6年制既卒者は2050人で42.67%だった。新卒者は、前回の85.50%から0.72ポイント、既卒者は前回の43.07%から0.4ポイントの減となった。
合格率を男女別に見ると、男性が67.33%、女性が71.06%だった。
表:第105回薬剤師国家試験大学別合格者数
大学の設置主体別の合格者数は、国立が539人(合格率84.88%)で、うち6年制新卒が453人(93.60%)、6年制既卒が27人(54.0%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が59人(58.42%)だった。
公立は231人(85.56%)で、うち6年制新卒201人(93.93%)、6年制既卒4人(23.53%)、その他が26人(66.67%)。私立は9188人(68.54%)で、6年制新卒7141人(84.05%)、6年制既卒2019人(42.62%)、その他28人(16.28%)だった。
大学別に合格率を見ると、90%を超えたのは4校、50%を下回ったのは7校だった。合格率が最も高かったのは金沢大学の97.50%で、名城大学92.52%、広島大学91.49%、九州大学90.0%、静岡県立大学89.52%と続いた。
新卒の合格率100%は、北海道大学、東京大学、金沢大学、静岡県立大学の4校だった。
また、一般問題(薬学実践問題)の問299について、「複数の正解がある」との理由で、「複数の選択肢を正解として採点する」措置をとった。
今回の国試は、1万5785人の出願者数に対し、受験者数は1万4311人で、1474人が何らかの理由で受験しなかったことになる。内訳は、国公立大学の37人に対し、私立大は1437人と多い。大学によっては、見かけ上の合格率を維持するため、受験者の絞り込みを行っている可能性が指摘されている。
今回の国試合格発表は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、厚労省などでの合格者の掲示を中止した。
■近年で最も高難易度‐薬ゼミ・木暮学長
第105回薬剤師国試の結果を受け、薬剤師国家試験予備校「医学アカデミー薬学ゼミナール」の木暮喜久子学長は、「合格得点は426点(213問)以上で、合格者の基準が絶対基準から相対基準に変更されてから最も低い合格ラインとなった。近年で最も難易度が高い国試だった」と総評した。
第106回から適用される「新出題基準」や「改訂コアカリ」「実務実習ガイドライン」を意識した科目の壁を超えた連問など、前回と同様に総合的な力や考える力を必要とする問題が目立ったとし、新卒者合格率が84.78%となったことについては「85%を相対基準として考えたのではないか」との見方を示した。