■米国薬価は2億円超え
薬事・食品衛生審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会は26日、ノバルティスファーマの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(一般名:オナセムノゲンアベパルボベク)の製造販売承認を了承した。2歳未満のSMA患者を投与対象とし、既存薬と異なり単回投与で終了する画期的な遺伝子治療薬で、年間投与対象者は15~20人程度。3月中にも承認される見通しだが、昨年5月に承認された米国では約2億3000万円と超高額な薬価がつけられており、日本国内での価格に注目が集まりそうだ。
SMAは、筋力低下、嚥下・呼吸困難、発達遅滞などを引き起こす遺伝性の難病。SMN蛋白質の産生が減少することで脊髄内の運動ニューロンが消失し、筋肉が脳からの信号を受信できなくなり発症する。乳幼児期に発症するI~III型、成人期に見られるIV型と幅広い年齢層で発症し、生後間もなく死亡するケースも見られる。乳児期から小児期の罹患率は、10万人に1~2人とされる。