基本方針では、現在の国内状況について、「感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、一部地域では小規模患者集団(クラスター)が把握されている状態」とし、「感染流行を早期に終息させるにはクラスターが次のクラスターを生み出すことを防止することが極めて重要で、徹底した対策を講じるべき」とした。
具体的対策として、医療提供体制では、外来での対応について診療時間や動線を区分するなどの感染対策を取った上で、感染が疑われる患者を受け入れる。
かぜ症状が軽度な場合は、自宅での安静と療養を原則とし、状態が変化した場合は相談センターやかかりつけ医に相談した上で受診する。高齢者や基礎疾患を持つ人については、重症化しやすいことを考慮し、より早期で適切な受診につなげるとした。
かぜ症状がない高齢者や基礎疾患を持つ人への継続的な医療・投薬については感染防止の観点から、電話による診療で処方箋を発行するなど、極力医療機関を受診しなくてもよい体制を予め構築する。
今後の感染状況の把握に関しては、入院が必要な肺炎患者の治療に必要な確定診断のためのPCR検査に移行しつつ、国内での流行状況を把握するためのサーベイランスの仕組みを整備するとした。
感染拡大防止策では、積極的疫学調査や濃厚接触者に対する健康観察を縮小し、広く外出自粛の協力を求める対応にシフトする一方、地域の状況に応じて患者クラスターへの対応を継続、強化する。
水際対策として、現在の入国制限と渡航中止勧告は継続する一方、検疫については、国内の感染拡大防止策や医療提供体制に応じて運用をシフトするとした。
同ウイルスについて現時点で把握している事実として、有効性が確認された抗ウイルス薬や迅速診断用の簡易検査キットがない一方、他のウイルスに対する治療薬が効果的な可能性があることなども記載した。