田宮氏は、20年度改定で新設された「服用薬剤調整支援料2」に言及。複数の医療機関を受診する患者の重複投薬解消を進めるため、薬局で服薬情報を一元的に把握し、重複投薬の有無を確認した上で医師に解消提案を行う取り組みを評価するものだが、「どの薬剤を減らせばいいのかという提案も含め、しっかりと対象の医療機関に情報提供して提案する場合の点数が新たに創設された」と説明。
「ポリファーマシーに関係する服用薬剤調整支援料1と合わせて患者や国民、保険者から見ても薬局、薬剤師には本当に頑張ってもらいたいということだと思う。しっかりと取り組んでほしい」と要請した。
また、対物業務から対人業務への構造転換について「患者や国民からすると、当然の社会的要請」との見解を示し、「ここをいかにスピード感をもって薬局が変わっていけるかが重要。調剤料に依存し、近隣の医療機関の処方箋を応需するような、かかりつけ機能を発揮していない薬局に早晩、未来はなくなるというメッセージを込めた内容となっている」とした。
対人業務に関しても、「単に算定要件を満たすためだけに行うのは本末転倒」と強調。「医薬品医療機器等法改正とも関係するが、患者に寄り添って、薬物療法の結果をフォローアップして責任を持つというマインドが大切」と語った。
田宮氏は、対人業務へのシフトや医薬分業のあり方についても「患者や国民から厳しい目を向けられていくことになる」と指摘し、「地域包括ケアシステムの中で薬局、薬剤師がどのような役割を果たしていくのかが問われていることを肝に銘じ、その変革のスピードを上げていかなくてはならない」と訴えた。
さらにポリファーマシーや重複投薬、残薬への対応などを踏まえた処方提案に関して、「患者や国民から見て薬局薬剤師の機能として分かりやすい。最も期待している機能である」と指摘。
「新設された服用薬剤調整支援料2も含め、こうした取り組みを実際にどのくらいできるかが次回改定までに問われている部分だ」と述べた。