mHTT産生を抑制、ハンチントン病の進行遅延や抑制に期待
中外製薬株式会社は2月17日、ハンチントン病を予定適応症として開発中の「RG6042」について、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたことを発表した。
RG6042は、ハンチンチンメッセンジャーリボ核酸(HTT mRNA)を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、ハンチントン病の原因遺伝子から産生される変異型ハンチンチンタンパク質(mutant huntingtin protein:mHTT)の産生を抑制させるよう設計された薬剤。ハンチントン病の疾患修飾薬として開発中であり、同剤の投与によりハンチントン病の進行の遅延や抑制が期待される。
RG6042は、2015年5月に欧州、同年12月に米国においてハンチントン病治療薬として希少疾病用医薬品の指定を受けた。また、2018年には欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けている。現在、国際共同P3試験(GENERATION HD1)を実施中だ。
指定難病の遺伝性疾患、不随意運動や認知症などを伴って発現
指定難病のハンチントン病は、舞踏運動を主体とする不随意運動、精神症状、認知症を伴って発現する遺伝性疾患。CAGリピート配列が伸長した変異型ハンチンチン遺伝子から翻訳されるmHTTが蓄積し、毒性を示すと考えられている。現在、ハンチントン病の根治治療はなく、不随意運動や精神症状に対する対症療法が一般的だ。国内の患者数は平成29年度特定医療費受給者証所持者数が900人で、有病率は人口10万人あたり0.7人とされている。
同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東康氏は、「RG6042を初の疾患修飾薬としてハンチントン病の患者さんへお届けできるよう、現在実施中の臨床試験をロシュ社と協力して進めてまいります」とコメントしている。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース