全国健康保険協会(協会けんぽ)は、後発品使用割合80%の目標達成を促すため、先発品から切り替えた場合の減額通知の対象者を、今月から15歳以上に引き下げるなどの緊急対策を実施すると発表した。後発品の使用割合が低い医療機関と保険薬局に訪問、説明して、後発品を採用する場合に参考となる情報を提供することも盛り込んだ。
政府は、今年9月までに後発品の使用割合を80%とする目標を示している。一方、協会けんぽの2019年9月診療分の使用割合は76.9%で、月平均の伸び幅は約0.1%にとどまっている現状から、「目標達成が困難となる見込み」との見方を示している。
また、協会けんぽのレセプトを分析した結果では、診療所や大学病院の使用割合が比較的低く、年齢別では0~19歳が他の年代より低いことが明らかになっている。
こうした現状を踏まえ、協会けんぽは、緊急対策の実施を決定した。具体的には、先発品から後発品に切り替えることによる負担軽減額について、現在は18歳以上の加入者に通知しているが、今月から対象者を15歳以上に引き下げることとした。
その理由として、約7割の市町村で15歳の年度末に乳幼児等医療助成費が終了することから、後発品の切り替えにつなげやすいことを挙げている。
さらに、現在は後発品の処方割合や各都道府県で頻繁に使用されている後発品リストなどの情報を、後発品を積極的に採用したい医療機関や保険薬局に郵送で提供している。
この取り組みを発展させて今後、後発品の使用割合が低い医療機関等に積極的に訪問、説明して後発品の使用をサポートしていく。その際、特別な事情がない限り、0~19歳では後発品を使用するよう要請することとしている。